
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
タマチ工業株式会社は、精密金属加工を中心としたモノづくりを通じて、お客様の製品開発に携わり、世界の産業の発展に貢献してまいりました。
当社の歴史は、戦前の自動車産業の黎明期にまで遡ります。1912年、当社二代目代表取締役 太田邦博の祖父である太田祐雄が「太田工場」を創業。飛行機用エンジンの試作を皮切りに、自動車製造へと事業を拡大しました。1935年には三井物産の出資を受け「高速機関工業株式会社」を設立し、オオタブランドの量産と販売を開始。さらに1936年には、日本初の常設サーキット「多摩川スピードウェイ」で開催された「第1回全国自動車競技大会」に出場し、優勝を果たしました。
この誇らしい出来事が象徴となるように、私たちの原点には、ものづくりへの情熱と挑戦の精神があります。
現在、私たちはそのDNAを引き継ぎながら、常に次代の産業を支える技術に挑戦しています。
ル・マン24時間耐久レース、WRCなど、世界最高峰のモータースポーツ用パワートレーン部品の加工に加え、国産ロケットのタービン・燃焼器といった難削材で極めて高精度な部品、さらには医療機器であるステントのような微細加工にも対応しております。
各産業から共通して求められることは、ミクロン単位の精度と、熱処理や表面処理、難削材への深い知見、加えて使命感を持ったエンジニアリングです。私たちは、これまでに蓄積してきた技術力と経験により、多岐に亘るニーズに応えてまいりました。
また近年では、金属積層造形(金属3Dプリンター)を2台導入し、従来の加工技術では困難だった複雑形状の実現や、トポロジー最適化による設計提案など、新たなものづくりの可能性にも取り組んでいます。
その根幹にあるのは、当社が掲げる「検査50:加工50」という品質重視のポリシーです。測定・検証を加工と同等に重視することで、お客様にとって“確かな価値”を提供することを目指しています。
これからも、私たちはミッションとして「未来歴史づくり」を掲げ、過去の実績に甘んじることなく、未来を見据えた技術革新と品質向上に努めてまいります。
日本国内はもとより、世界の産業の一端を担う存在として、信頼される企業であり続けるために、全社一丸となって邁進してまいります。
今後とも、変わらぬご支援とご指導を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
タマチ工業株式会社
代表取締役社長
高松 賢介